正暦寺
この目的地について
正暦寺は、奈良市中心部の南東、国道169号線から細い谷沿いの道を山へ約4キロ入った突き当たりにあります。この遠さこそが、この寺のいちばんの良さです。参道は渓流に沿い、かつて塔頭を支えていた苔むした石垣の脇を上っていきます。11月以外の平日なら、聞こえるのは水の音くらいかもしれません。992年、一条天皇の勅命を受けて創建され、当初は谷をはさんで86の坊が建ち並んでいました。1180年の平重衡による南都焼き討ちで全山が焼け、再興後も江戸時代以降に衰え、堂塔のほとんどが失われました。いま残るのは1681年建立で国の重要文化財の福寿院客殿、1916年再建の本堂、そして鐘楼です。
酒造りに携わる人がこの寺の名を知っているのは、酒のためです。ここの僧たちは、仕込みを3回に分ける三段仕込み、麹米と掛米の両方に白米を使う諸白造り、腐敗を防ぐ火入れ、そして酒母の原型である菩提酛造りを行っていました。これらの技術は室町時代の古文書『御酒之日記』にも記されており、正暦寺が日本清酒発祥の地といわれるゆえんです。今も毎年1月に境内で酒母の仕込みが行われ、県内7つの蔵元がそれを持ち帰って醸した菩提酛の酒を福寿院で販売しています。次の菩提酛清酒祭は2027年1月9日です。
11月には3,000本を超える楓が色づき、福寿院の庭は背後の山を借景にしています。人出が増え、臨時バスが走るのもこの時期です。11月3日から12月第1日曜日までは、秘仏本尊の金銅の薬師如来倚像が公開され、拝観料は500円から800円になります。2026年は11月12日までは福寿院で、11月13日から12月6日までは本堂で公開され、本堂境内に入れるのも11月13日からです。本堂は81段の石段を上った先にあり、紅葉の時期以外は閉まっていることが多くあります。建物内は撮影禁止、屋外でも三脚は使えません。
所在地
訪問者情報
クレジットカード: 不明
アクセス
奈良県奈良市菩提山町157
道順を表示よくある質問
車がなくても正暦寺へ行けますか?
紅葉の時期以外はタクシーが基本で、JR・近鉄奈良駅から約25分、JR・近鉄天理駅から約20分です。紅葉の時期には、JR奈良駅と近鉄奈良駅から奈良交通の臨時直通バスが出ます。JR帯解駅から歩くと約1時間30分かかります。
秘仏の薬師如来はいつ公開されますか?
年3回です。4月18日~5月8日は収蔵庫の瑠璃殿で、11月3日~12月第1日曜日は秋季特別公開(2026年は11月12日まで福寿院、11月13日~12月6日は本堂)、12月22日は冬至祭にあわせて公開されます。公開期間中の拝観料は500円ではなく800円です。
お寺で菩提酛の酒を買えますか?
はい。毎年1月に正暦寺で仕込んだ酒母を用いて県内7つの蔵元が醸した菩提酛の清酒を、福寿院で販売しています。室町時代に正暦寺で造られていた『菩提泉』を復活させた酒もあります。2027年1月9日の菩提酛清酒祭では、有料で清酒の試飲とかす汁のふるまいがあります。
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