春日集落と安満岳
この目的地について
春日には教会がありません。そして、それこそがここを訪ねる理由です。1873年に禁教が解かれると、長崎の潜伏キリシタンの集落の多くはカトリックに戻り、今パンフレットを飾る教会堂を建てました。春日はそうしませんでした。宣教師のいない250年余りの間に形づくられた信仰をそのまま続けたのです。春日集落と背後の安満岳が、2018年に世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の12の構成資産のひとつになったのは、まさにその理由からです。別の構成資産である中江ノ島とあわせて「平戸の聖地と集落」と呼ばれています。
集落は平戸島の西海岸、安満岳から延びる2本の尾根にはさまれた浅い谷にあり、棚田が海へと下っています。1550年にフランシスコ・ザビエルが平戸を訪れた後にキリスト教が伝わり、1563年のイエズス会宣教師の書簡には、すでにここにキリシタンの組があったことが記されています。1599年に平戸で禁教となり、1622年に最後の宣教師が殉教した後、住民は信心具を納戸に隠し、2つの場所を拝みました。キリスト教伝来以前から信仰の山だった安満岳と、キリシタンが処刑され、のちに聖水を汲む場となった沖の中江ノ島です。春日のかくれキリシタンの組織は昭和40年代に解散し、今は一部の家で信心具が個人的に祀られているだけです。
まずは集落の空き家を改装した案内所「かたりな」へ。住民が語り部として歴史を話してくれ、受け継がれてきた信心具の一部も展示されています。集落の中ほどにある丸く小さな丸尾山は、キリスト教伝来期のキリシタンが葬られたと考えられている場所です。平戸島の最高峰で標高約530メートルの安満岳には、718年創建と伝わる白山比賣神社があり、古い石の参道と鳥居、西禅寺跡、そして社殿の裏には住民が「キリシタン祠」と呼んだ石祠があります。登山口駐車場から山頂までは30分から40分です。中江ノ島には上陸できず、海岸から眺めることになります。人が暮らし、田畑を耕している集落なので、道から外れず、田畑には入らないでください。
所在地
訪問者情報
クレジットカード: 不明
アクセス
長崎県平戸市春日町166-1
道順を表示よくある質問
教会のように、春日を訪ねるにも事前連絡が必要ですか?
不要です。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターでも、春日集落と安満岳は事前連絡不要とされています。見学する教会がないためです。春日の棚田見学者駐車場に車を停めて案内所「かたりな」から歩き始め、人が暮らし農業を営む場所であることを心に留めておいてください。
安満岳の登山にはどのくらいかかりますか?
登山口駐車場から白山比賣神社のある山頂までは徒歩約30分から40分です。春日集落から旧参道を歩いて登ると約40分から1時間かかります。最後は古い石の参道と鳥居が続くので、歩きやすい靴で出かけてください。
中江ノ島には行けますか?
行けません。キリシタンが処刑され、のちに聖水を汲む場となった中江ノ島は聖地で、上陸はできず、周辺を巡る船もありません。海岸や生月大橋、橋の生月側にある道の駅から眺めることができます。
春日の潜伏キリシタンはなぜカトリックに戻らなかったのですか?
世界遺産の資料によれば、1865年以降にパリ外国宣教会の宣教師との接触はあったものの、住民は禁教期以来の、山や島を拝み、隠した信心具を祀る信仰を続けることを選びました。その信仰形態は20世紀の間に次第に失われ、今では一部の家で信心具が個人的に祀られているだけです。
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