日帰りで入れる日本の名湯:宿を取らずにふらりと入れる歴史ある外湯・共同浴場

最終更新: • Sampo Kuokkanen • Japan Voyage Travel
道後温泉

日帰りで入れる日本の名湯:宿を取らずにふらりと入れる歴史ある外湯・共同浴場


日本でいちばん名の知れた温泉に入るのに、旅館の予約はいりません。多くの温泉地には、外湯や共同浴場と呼ばれる公衆浴場があり、数百円で誰でも入れます。2つの村では無料です。通りでいちばん古い建物が浴場という温泉地もいくつもあります。このガイドでは、公衆浴場こそが目当てになる13の温泉地を、もっとも有名な松山の道後温泉本館から順に紹介します。逆に、長い山道の先にある一軒宿を訪ねる旅については秘湯ガイドをご覧ください。


以下の料金と時間は2026年秋の時点で公表されているものです。ここ2年ほどで値上げした浴場がいくつもあるので、出かける前に公式サイトで確認してください。


  • まず体を洗ってから湯船へ。洗い場に座って全身を洗い、流してから湯に入ります。小さいタオルは湯船に入れず、頭にのせるか湯船の縁に置きましょう。白浜の崎の湯はお湯がそのまま海に流れるため、石けんやシャンプーは一切使えません。
  • タオルと小銭を持っていきましょう。大きな浴場ではタオルを販売・貸し出ししていますが、野沢温泉の外湯や草津の無料の共同浴場にはタオルも石けんもありません。野沢温泉の13の外湯は無料で、入口に賽銭箱があるので、100円玉を何枚か用意しておきましょう。
  • タトゥー(入れ墨)について。はっきりとタトゥー可と示しているのは、道後温泉の3館すべて、草津の西の河原露天風呂と大滝乃湯、城崎温泉の外湯、別府の竹瓦温泉です。指宿の砂楽は条件付きで可としているので、料金を払う前に条件を読んでください。野沢温泉の外湯にはルールの掲示がありません。そのほかの浴場は方針の公表が見つからなかったので、受付で尋ねてください。
  • 閉館時間ではなく受付終了時間で計画を。券の販売は閉館の30分から1時間前に終わります。道後温泉本館の1階は22時30分、つぼ湯は20時30分、指宿の砂むしは20時です。渋温泉の大湯に日帰りで入れるのは10時から17時までです。
  • 休館日を確認しましょう。有馬の金の湯と銀の湯は交互に火曜日、山中温泉の菊の湯は第2・第4火曜日、竹瓦温泉は第3水曜日が休みです。城崎温泉の7つの外湯のうち2つは、2026年10月の時点で改修のため休館しています。
  • 共同浴場は地元の人のものです。野沢、草津、渋では地元の人が浴場を管理し、仕事の前や夕食の後に入りに来ます。声は控えめにし、熱すぎて水を足したいときは、先に入っている人にひと声かけてから蛇口をひねりましょう。


屋久島の平内海中温泉は飛行機か船で島に渡る必要がありますが、それ以外はどこも最寄りの都市から日帰りできます。とはいえ共同浴場は早朝がいちばん気持ちいいので、泊まれるなら泊まりましょう。




ひと目でわかる一覧





道後温泉(愛媛県松山市)

道後温泉は、このページで後に紹介する有馬、白浜と並び、古い史書に名が残る日本三古湯のひとつです。歩いて数分の範囲に公衆浴場が3つあり、どれも同じ源泉を使っています。JR松山駅から伊予鉄道の路面電車で終点の道後温泉駅まで行けます。


道後温泉本館

「温泉」と聞いて多くの人が思い浮かべる、1894年築の木造3階建ての浴場で、公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されました。屋根の上の振鷺閣で6時に刻太鼓が打たれて一日が始まり、正午と18時にも鳴らされます。入浴を続けながら少しずつ進めた5年半の保存修理工事を終え、2024年7月に全館での営業を再開し、料金も改定されました。入り方は4通りです。

  • 神の湯 1階(入浴のみ):700円、6時から23時まで(札止22時30分)。
  • 神の湯 2階席:1,300円。入浴後に浴衣で休憩し、お茶とお菓子が出ます。6時から22時まで(札止21時)、利用は1時間以内。
  • 霊の湯 2階席(小さめの御影石の浴室):2,000円、札止21時、1時間以内。
  • 霊の湯 3階個室:2,500円、札止20時30分、1時間30分以内。

1階は安く入れるぶん行列ができ、週末は午前の半ばから混みます。上の階の有料の休憩室は、お湯よりも建物を味わうために一度は使ってみる価値があります。本館は大掃除のため年に1日だけ終日休館し、2026年は12月1日(火)です。


道後温泉別館 飛鳥乃湯泉

2017年に本館の裏手に開いた別館で、道後の最も古い記録が残る飛鳥時代の建築様式で建てられています。本館と違って露天風呂があります。1階浴室は610円、6時から23時まで(札止22時30分)で、上の階の休憩室はさらに料金がかかります。


道後温泉 椿の湯

道後に住む人が実際に通う浴場で、飾り気がなく、比較的静かで、お湯は同じです。2026年5月1日から500円になり、営業は6時30分から23時まで(札止22時30分)です。

道後温泉




中部・北関東(群馬県・長野県・石川県)


草津温泉(群馬県)

強い酸性の湯が木の樋を流れて冷まされながら湯気を上げる湯畑を中心にした、山あいの温泉街です。JR長野原草津口駅からバスで約25分です。町営の日帰り施設が3つあり、共通のよくある質問で、刺青(タトゥー)のある人の入浴を特に断っていないと明記しています。西の河原露天風呂は、湯畑の西、湯けむりの上がる流れが続く公園の奥にある大きな露天風呂で、男女別です。800円、4月から11月は7時から20時、12月から3月は9時から20時(最終入館19時30分)。大滝乃湯には内湯と露天風呂のほか、温度の違う湯船を順に入っていく合わせ湯があります。1,200円、9時から21時(最終入館20時)。草津には地元が管理する無料の共同浴場もあり、観光客に開放されているのは湯畑そばの白旗の湯、千代の湯、地蔵の湯の3つです。小さく、とても熱く、湯船のほかには何もありません。

草津温泉


野沢温泉(長野県)

スキー場の村で、13の外湯はすべて無料です。江戸時代から「湯仲間」と呼ばれる村人の組が掃除と管理を続けてきました。写真でよく見るのは、村の真ん中に建つ木造の大湯です。多くはおおむね5時から23時まで(冬は6時から)ですが、時間と掃除の時間はそれぞれの入口に掲示されています。入口には賽銭箱があるので、小銭を1、2枚入れましょう。湯は源泉そのままで、長くは浸かっていられないほど熱いことも多く、石けんもタオルもなく、脱衣場は浴室と同じ部屋の棚です。タトゥーについてのルールは掲示されていません。北陸新幹線の飯山駅からバスで約25分です。

野沢温泉


渋温泉(長野県)

古い木造の旅館が並ぶ狭い石畳の通りに、番号のついた9つの外湯があります。渋温泉の宿に泊まると、9つすべてを開けられる鍵と、それぞれの湯でスタンプを押していく手ぬぐいを借りられ、九番湯の大湯まで巡り終えるのが「九湯めぐり」です。日帰り客はこれができません。小さな8つの外湯は宿泊者専用で、日帰りで入れるのは大湯だけです。800円、10時から17時まで。観光案内所か取り扱いのある旅館で入浴券を買うと、近くの旅館の人が扉の鍵を開けてくれます。九湯めぐりが目当てなら、泊まりましょう。長野電鉄の終点、湯田中駅から少しの距離です。

渋温泉


山中温泉(石川県加賀市)

加賀の山あいの川沿いの温泉街で、1689年に『おくのほそ道』の旅の途中の芭蕉が立ち寄り、この湯を詠みました。総湯は菊の湯で、男湯と女湯が小さな広場をはさんで別々の建物にあり、女湯は山中座と同じ建物です。2025年5月から500円で、6時45分から22時まで、第2・第4火曜日が休み(祝日の場合は翌日)です。JR加賀温泉駅からバスが出ています。

山中温泉




関西(兵庫県・和歌山県)


城崎温泉(兵庫県豊岡市)

外湯めぐりのためにあるような温泉街で、柳並木の川沿いに7つの外湯が並び、夜になっても浴衣と下駄の人たちが行き来しています。1回の入浴は800円で、外湯めぐりのパス「ゆめぱ」の1日券(1,500円)があれば、その日営業しているすべての外湯に入れます。城崎の宿に泊まれば、宿でゆめぱが渡されます。城崎の観光案内サイト「Visit Kinosaki」は、装飾目的のタトゥーのある人も7つの外湯すべてに入れると案内しています。2026年10月の時点で営業しているのは5つだけです。駅前のさとの湯は改修のため2024年4月から休館しており、鴻の湯も改修工事で2026年10月30日まで休館の予定です。洞窟風呂のある一の湯と御所の湯は7時から、小さい外湯は午後から開き、多くは23時までで、それぞれ週に1日、別々の曜日に休みます。京都や大阪から特急で2時間半ほどです。

城崎温泉


有馬温泉(兵庫県神戸市)

三古湯の2つ目で、神戸の裏山にあり、神戸市が持つ公衆浴場が2つあります。金の湯は「金泉」で、鉄分と塩分が多く、源泉から赤茶色に濁って出てきます。800円(平日650円)、8時から22時まで(最終受付21時30分)、第2・第4火曜日と1月1日が休みです。銀の湯は無色透明の「銀泉」で、炭酸泉とラジウム泉です。700円(平日550円)、9時から21時まで(最終受付20時30分)、第1・第3火曜日と1月1日が休みです。火曜日が祝日の場合は営業し、翌日が休みになります。2館共通券は1,200円です。金の湯は狭く、週末は混み合います。どちらも神戸電鉄の有馬温泉駅から歩いて5分ほどです。

有馬温泉


湯の峰温泉(和歌山県田辺市)

熊野本宮大社に近い小さな温泉で、熊野古道を歩いた参詣者が参拝の前に身を清めた場所です。川の上の木の小屋の中にある岩風呂「つぼ湯」は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部で、順番に貸し切って入る公衆浴場でもあります。1回30分で800円、券は公衆浴場の券売機で買います。6時から21時まで(受付終了20時30分)。2、3人しか入れないので、混む時期は待ち時間が長くなります。お湯に浸かりたいだけなら、隣の公衆浴場が早いでしょう。一般湯は400円、源泉をそのまま使ったくすり湯は600円です。外の川には、卵を茹でられる熱い湯が湧く湯筒があります。

湯の峰温泉


白浜温泉(和歌山県)

三古湯の3つ目で、紀伊半島の海辺のリゾートです。崎の湯は岬の先にある岩風呂で、すぐ下の岩に波が打ち寄せるほど海に近く、男女別です。500円。営業時間は季節で変わり、10月から3月は8時から17時、4月から6月と9月は8時から18時、7月と8月は7時から19時で、最終入場は終了の30分前です。お湯がそのまま海に流れ出るので石けんやシャンプーは使えず、タオルは200円です。定休日はありませんが、メンテナンスで休むことがあります。JR白浜駅からバスが出ています。

白浜温泉




九州(大分県・佐賀県・鹿児島県)


竹瓦温泉(大分県別府市)

1879年に創設された別府でいちばん古い共同浴場で、唐破風の瓦屋根が目を引く今の建物は1938年のものです。JR別府駅から歩いて10分ほどです。普通浴は300円、6時30分から22時30分まで。多くの人のお目当ては砂湯で、浴衣を着て横になると、温泉で温められた砂を係の人がかけてくれます。普通浴込みで1,500円、8時から22時30分まで(最終受付21時30分)。電話やネットも含めて予約は一切受け付けていないので、受付に並んで待ちます。第3水曜日が休み(祝日の場合は翌日)です。別府はタトゥーOKの温泉地として発信しており、市営の竹瓦温泉もタトゥーのある人を受け入れています。

竹瓦温泉

別府温泉


武雄温泉(佐賀県)

入口は1915年の朱塗りの楼門で、釘を使わずに組まれた2階建ての門です。設計は東京駅を手がけた辰野金吾です。その奥にある元湯は1876年の木造の浴場で、熱めの湯とぬるめの湯が並んでいます。500円、朝6時30分から開き、武雄市観光協会によると最終受付は23時です。楼門は夜にライトアップされます。西九州新幹線の武雄温泉駅から歩いて15分ほどです。

武雄温泉


指宿温泉(鹿児島県)

浜辺にある市の砂むし施設「砂むし会館 砂楽」では、浴衣に着替えて浜の屋根の下に横になり、地下の温泉で温められた砂を係の人が首までかけてくれます。10分も入れば十分で、そのあと砂を流して大浴場に入ります。浴衣込みで1,500円(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始は2,000円)、大浴場のみは800円。8時30分から21時まで(最終受付20時)、平日は12時から13時まで砂むしの受付を休みます。年に2回メンテナンスで休館し、2026年は12月14日から18日までです。タオルは持参するか、現地で買いましょう。

指宿温泉


平内海中温泉(鹿児島県屋久島町)

屋久島の南の海岸の岩場にある湯だまりで、1日の大半は海の下に沈んでいます。入れるのは干潮時の前後約2時間だけなので、出かける前に潮見表を確認してください。混浴で、水着は着用できませんが、タオルを巻くことはできます。脱衣所はなく、岩陰で着替えます。入浴料の代わりに、維持管理のための数百円の協力金を入れる箱があります。行くなら車が現実的です。

平内海中温泉




出かける前に


公式サイトで最新の料金と休館日を確かめ、タオルと現金を持ち、閉館時間ではなく受付終了時間に合わせて計画しましょう。


長い山道や登山道の先にある温泉については、秘湯ガイドをご覧ください。