兵庫の秘境・北部(山陰側)をめぐるモデルコース(2026年版)

July 28, 2026 Sampo Kuokkanen Sampo Kuokkanen Japan Voyage Travel

兵庫の秘境・北部(山陰側)をめぐるモデルコース(2026年版)


兵庫を訪れる人のほとんどは姫路城と神戸を見て、それ以上は足を延ばしません。けれども姫路から北へ向かうと、県の表情はがらりと変わります。柱の上に築かれた山寺、雲海の上に浮かぶ城跡、銀色のすすきに覆われた高原、そして日本海沿岸でも指折りの美しい温泉町。これが兵庫の山陰側、のどかで、まるで映画のようで、そしてほとんど観光客の姿がない世界です。


この二日間のルートは、姫路の上にそびえる千年の歴史を持つ寺から、海沿いの温泉町・城崎まで、途中に名高い城跡と草の高原を巡りながら、まっすぐ北へと進みます。播但線がその大半をつないでいますが、高原へは車があると便利です。雲海の眺めもすすきの季節も、どちらも天候と時間に左右されるので、以下の注意書きを読み、現実的な期待を持って臨んでください。




コースの概要





1日目:圓教寺

姫路のすぐ上、書写山から始めましょう。ロープウェイで登ると、千年以上前に開かれた天台宗の広大な寺院、圓教寺があります。杉並木が壮大な木造の堂宇を結び、京都の清水寺のように長い柱で斜面の上に張り出して建てられた摩尼殿が見どころです。ただし清水寺のような人混みはありません。西洋の人なら、苔むした境内を映画『ラストサムライ』で見覚えがあるかもしれません。旅がのどかな道へと変わる前に始めるのにふさわしい、静かで趣深い場所です。

圓教寺




2日目:竹田城跡

播但線で北の竹田へ。その上にそびえるのが竹田城跡、高い尾根に沿って連なる15世紀の山城の石垣です。秋の風のない冷え込んだ朝、谷が霧で満たされ、城壁が白い海の上に浮かんで見えることから「天空の城」と呼ばれています。頂上へは急な40分の登りか、途中までバスで行けます。名高い雲海はおおむね9月下旬から12月初旬にかけて、夜明けに現れますが、いつでも見られるわけではないので、約束ではなく幸運のご褒美と考えてください。尾根の上を歩いて巡れる城跡そのものは、どんな天気でも登る価値があります。真冬は通常入場が制限されるので、1月や2月に訪れる前には確認してください。

竹田城跡




砥峰高原

城の西に広がる砥峰高原は、丘一面を覆う広大なすすきの原です。晩秋には高原全体が金色に染まり、低く差す陽の光を受けて輝きます。散策路は人の背丈より高く伸びることもある草の中を縫って続いています。ここは日本映画で野生の田園風景として使われてきました。村上春樹の『ノルウェイの森』の映画化作品もその一つです。この一帯は公共交通機関が乏しいので、車かタクシーが現実的な手段です。

砥峰高原




城崎温泉

旅の締めくくりは海沿いの城崎温泉。1300年にわたって湯客を迎えてきた温泉町です。柳が石造りの川に枝を垂れ、宿泊客は浴衣に下駄姿で宿から宿へと歩き、それぞれに趣の異なる七つの外湯を巡ります。町は小さく、温かく、のんびりとした夜と、同じように穏やかな朝を過ごすためにつくられています。特急列車なら大阪から城崎温泉駅までおよそ2時間半。このルートを締めくくるにふさわしい、安らぎに満ちた終着点です。

城崎温泉




交通アクセス

JR播但線が姫路から竹田を通って和田山方面へと北上し、城崎へ向かう山陰線に接続するので、寺、城、温泉は電車で結ばれています。例外は砥峰高原で、車か季節運行のシャトルで行くのが最善です。このルートが最も輝くのは秋。城の雲海も砥峰の黄金のすすきも、ともに10月から11月にかけて見頃を迎えます。




よくある質問


竹田城で本当に雲海を見られますか?

見られるかもしれません。穏やかな一日のあとの、冷え込んだ晴れて風のない秋の朝が必要で、しかも夜明け前後にしか現れません。晴れ渡った空に登り、雲一つ見られなかった人も大勢います。城跡そのものを主役と考え、雲海は幸運なおまけと捉えてください。




砥峰のすすきが最も美しいのはいつですか?

すすきは10月下旬から11月にかけて見頃を迎え、金色に染まってふわふわと穂を揺らします。秋以外でも高原はすばらしい散策の場です。金色ではなく緑ですが。




車なしで巡れますか?

おおむね可能です。圓教寺、竹田城、城崎はいずれも電車と地元のバスでたどり着けます。公共交通機関で難しいのは砥峰高原です。車がない場合は、そこは省くか、最寄り駅からタクシーを利用することを検討してください。